シードルフィン770

「ヨットの帆」は単に風に押されるものではなく、「飛行機の翼」と同じ役目をしています。

「飛行機の翼と同じ」とは風を受けて揚力を発生するという意味で、特に向かい風に対するにはキチンとした翼型を形成する帆を用いなければ快適な帆走ができません。

先の試走で遅かったシードルフィンですが、その原因のほとんどがセールにありました。

この機会に解説します。

セール(ブーム:腕)について
キット素組のセールの状態

← 望遠の効くデジカメでシードルフィンを撮影して貰いました。

画像を見るとメインセール、ジプセール共に風を受けられてはいるものの、丸く膨らんでいるだけで「浮力を発生」して「風を切っている」とは思えない曲率です。

(翼型)



↑飛行機の翼の断面形:通常、前縁から30〜40%のところが一番膨らんでいます。

←全縁から50%のところが一番膨らんでいるので浮力に相当する推進力が少ないと思われます。
セールが翼型に膨らまない理由 その1
ジプ・メイン共にブームが柔らかいので風を受けると腕が曲がって全長が短くなります。

するとセールが垂れて等間隔にしか膨らめないようです。

キットに標準装備されているのだから、このグネっと柔軟なブームを使ったセッティングがあるのだと思いますが、2本目のマストを製作するときには硬いブームを用意したいと思います。
理想?のセール
上と同じ画像にお絵書きをしてみました。

セールが左図のように膨らむと飛行機が飛ぶ原理と同じに、「浮力を発生」して「風を切る」ことができるのではないでしょうか?。

このヨットもセールがこのように膨らんだなら速く走れたと思います。





硬いブームをテスト
前に使っていたヨットのセールとアルミ製ブームを借りてシードルフィンに取り付けてみました。

ブームこそ硬いものの間借りしたセールはシードルフィンのセールより幅にして5〜6cm、高さも12〜13cmも短い物です。

仮にこのセールが標準装備のセールよりも速く走れたなら、硬いブームの優位性が証明されます。


(結果)
試しに使った「硬いブーム」は「柔らかいブーム」の倍くらい速く走れました。

この日は風が強めでしたが、それを考慮してもこのセールとマストは標準装備品とは比べ物にならない良い走りでした。

この先、セールを50:50にしか膨らませらないような柔らかいブームを使うことはないと思います。

 

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